MADMAX4

2015年08月31日 00:25

マッドマックス、ようやく見れました。

アドレナリン終始出っ放しの、最高のヒャッハー映画でした。
mudmax.jpg

言っていいといわれたので少しだけ昔話を。
IGを辞めてから東映に来るまでの空白の10ヶ月、実はマッドマックスの関連作品に取り組んでいました。
5年前シドニーに出張に行っていたのも、実はジョージミラー監督と打ち合わせに行くというものでした。
詳しく内容は話せませんが、その案件が途中で立ち消えに。
集めていた日本人メンバーも解散となりました。

本当に仕事に燃えまくっている時期に取り組んでいた仕事なだけにその挫折っぷりはハンパではなく、映画に関わっても不幸にしかならないとまで感じていました。
(実はその時期取り組んでいたもう一本の別の映画も、ほぼ同時期に打ち切りに)

ただ、その仕事の中心人物である前田真宏さんのイメージボードやアイデアがたくさん採用され、エンドロールに大きく名前が刻まれているのを見て、心からうれしかった。
自分は
「一枚の絵が、ばらばらな方向を向いている人間を同じ方向に向かせる力がある」
という持論を持っています。
これは前田さんとこの仕事をしている時に感じた事でした。

自分は今ディレクターという立場で仕事をさせてもらっていますが、前田真宏さんやジョージミラーという「圧倒的高み」のディレクターと20代前半に仕事が出来たこと、本当に良い経験だったと思います。
いくら自分が作った作品を褒められても、認められても、圧倒的高みにいる存在を知っているからこそ自分の非力さを忘れずにいられる。

そんな自分が初めて映画を監督し、そして一番苦しんでいる時期にこの映画を見られた事は、何かの縁なのかもしれません。
本物の天才たちに比べて自分の考えたお話や演出なんて、とても稚拙で次元の低いものかもしれない。

でも、今やっている映画を1800円の価値がある映画にしたいし、絶対にするつもりでいます。
なぜなら、今自分の元には本当に信頼できる仲間が集ってくれているから。
私だけではダメでも、このメンバーならきっと面白い映画を作れる。
そんな決意に震える三十路新人監督であります。

残り時間でどこまで行けるか分かりませんが、最高の映画を目指して頑張ります。

「シドニアの騎士」モデル販売のデータを見てみました

2014年11月10日 01:13

3DCGアニメシリーズ「シドニアの騎士」に使われたモデルが、有料、無料でダウンロードが可能と話題に。
シドニア堂

遅ればせながら、自分もダウンロードしてみました。

■はじめに
このモデルデータについて、SNS界隈で色々な意見が飛び交っているのを見ました。
このモデルを見ることで、学生さんやこれからトゥーン系アニメCGをやろうと思っている人がどのような視点で受け取ればいいのか。
一応、実写からトゥーンまで色々な仕事をしてきた自分としての意見も述べておこうかなと思いこの記事を投稿しました。
(※あくまでアニメ会社勤務サラリーマンの個人的感想です)

■会社によって、千差万別なモデリングの考え方
01_201411092351358ac.jpg
まず、フリーで落とせた3体を読み込んでみました。
造形等については、キャラクタデザイナーの意図、視聴者の好みがありますので私見は述べない事とします。

自分はゲーム会社やアニメ会社、フリーランスとして受注していた時期など色々な仕事を経験してきましたが、モデリングに関する考え方は驚くほど多様化していると感じています。
例えばハードエッジの是非。ポリゴン数の上限。シワの作り方。どれ以上のディティールからマップに頼るかなど、ひとつの会社で通用した技術が他の会社では全否定されるなんてことはよくあります。
そういった経験の中で、シドニアを制作されているPPIさんのモデルは「バランス派」だと感じています。

たとえば、細かい手のシワや血管の浮き出具合まで全てポリゴンで割る会社もあります。
逆に、AEで平面を貼り付けたりレタッチすることが前提で、とにかくディティールを作らない会社もあります。
よく「セルルックのモデルはシェーディングで見ると奇形に見える」という話を聞きますが、それは線を出す、フォルムを取るのに必要な情報以外なるべく省いているからです。

そういう視点で見てみると、上記画像はシェーディングで見てもおかしくは見えませんし、かといって細かいディティール全てがモデリングされているわけでもありません。
そういう意味で、トゥーンレンダリングの要素を入れながらもセルアニメのトレースではなく、CGプロダクションとしての経験を投入しようと、リアル系CG作品の考え方もブレンドしながら探っていったものと思われます。

■構造面
例として、口のメッシュをソフト選択で上げてみました。
02_20141110000714c3f.jpg
筋肉の流れに沿ったメッシュによって、綺麗に変形しています。
間逆の例ですが、最近話題になっている「ギルティギア」のメイキング記事が以下にあります。
GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」で実現された「アニメにしか見えないリアルタイム3Dグラフィックス」の秘密
こちらで公開されているキャラクタのワイヤーフレームを見ると、口周りが大きく省略されているのが分かると思います。
セルルックではやわらかく変形したジオメトリの陰影を綺麗に維持する必要がなく、しかもギルティのように別ジオメトリーの法泉を転送したりというテクニックを使う場合もありますので、変形時の陰影よりもフォルムを優先してこのようなメッシュになっていると思われます
だからといってギルティの出来はよくないのか?と言われると、自分がプリレンダーで逆立ちしても出せないようなクオリティをリアルタイムでたたき出しています。感服です。

ちなみにCGWORLDさんで何度も特集していただいて画像が出ているのでいいますが、プリキュアの口元のメッシュ構造はシドニア寄りです。

他に、頬の流れについても触れてみます。
ピンク色の線で示したのは、キャラクタを正面から見た時に頬の輪郭となるラインです。
03_20141110002250068.jpg
ここはセルとリアルで結構違うところの一つで、セルでは頬の輪郭の印象を角度に依存せずある程度一定に保つ必要があります。
そのため、ピンク色で示したように、あごから頬にかけてのメッシュの流れがそのまま上に流れるようなトポロジーを組む時が有ります。
しかし、筋肉の流れからするとシドニアの方が正しく、シェーディングを考えると実はシドニアの例が理想のひとつだったりします。
このあたりの考え方は造形にも影響していまして、正面から見て耳が髪の毛で隠れていないキャラクタを作る場合、頬のラインよりも耳の付け根が内側にないと正面から見た頬の線が綺麗に出ません。
(耳を別モデルにするなどして対応もできますが)
そのため、どうしても2Dで作画設定があるキャラクタを3Dに起す場合、「箱系」と言われる、面を張り合わせたような四角い頭のモデルになることが多いです。
シドニアの場合、3Dシリーズに向けて新規に設定を起しているはずですので、そのあたりも考慮してキャラクタデザインが組まれていると考えられます。
実際、頬ラインの造形の考え方はセミリアルなキャラクタの考え方に近く、頬から耳にかけての陰影もなめらかにつながっています。
上手いなと思ったのは、そのような造形・メッシュ構造であるにも関わらず、正面から見た時に耳に向けての造形がトゥーンと相性の良い感じにまとまっているところです。

■プロダクションにおける「良いデータ」とは?
ここまでの記事で、簡単にですがセルとリアルで色々な考え方が違ってくるというお話をしてきました。
そのため、会社の文化によって否定的な意見が出るのはトゥーンである以上仕方が無いのかなと思います。

では、このデータから何を学べばいいのか。このデータがプロダクションとしてどのように優れいているのか。
このあたりを自分の意見で話していこうと思います。

・メッシュラインの統一化
ヒロイン二人のメッシュを並べてみました。
04_20141110003608cb2.jpg
この二人が顔の造形が近いというのもありますが、メッシュの構造が完全に一致しています。
データを見た方は分かると思いますが、UVも完全に同じものになっています。

・類似データの共通化
05.jpg
ブーツが分かりやすい例ですが、ヒロイン二人だけでなく、足先部分やソールの構造が近いものは、やはり近い構造で作られています。
これは、テレビシリーズという厳しいスケジュールの中で上手くデータを使いまわすというだけでなく、リグやアニメーション等下流の工程でも有用なポイントです。
手なども同じような構造が使いまわされています。
06_20141110004218376.jpg
例えばめんどうな指のジョイント配置。他に、手の形状が一致しているキャラクタ同士で、手のポーズの共有など後々効いてくる利益がたくさんあります。

フォトリアルなクリーチャー等では、むしろこのあたりを微妙にバラケさせることでリアリティを出してくなどの考え方もありますが、セルルック。しかもテレビシリーズという事を考えると、非常に優れたアセットマネージメントがされていると見受けられます。

「手のモデルを使いまわすなんて当然じゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、キャラモデラーというのは自由な人間が多いので、きちんと仕様化しておかないと似たようなデータでもどんどん仕様がバラケて増えて行ったりするのです・・・

・UVについて
UVについても、基本的にほとんどのパーツが開かれており、1-1エリアに格納されています。
(一部例外もあるようですが)
09.jpg
これもとても大事なポイントです。
mayaはメッシュの表面情報を取得する際、UV座標をベースにすることがしばしばあります。
例えば、hairに使われているfollicleも、outMeshの情報とUVの座標を元にメッシュ表面のワールド座標を割り出しています。(うろおぼえですが)
他に、ペイントエフェクトでのブラシペイントなども、基本的には1-1エリアを出た時点で無効化されてしまいます。
(今のバージョンでは直ってるのかな?)
xGenなど最新の技術ではアトリビュートマップがptexベースになったりしてこのあたりの制限は大分少なくなっていますが、色々な面から考えて1-1エリアに納められるものはなるべく収めたほうが良いというのが経験上言えることです。


■(オマケ)mayaのpfxToonの問題点
3dsMaxを使われている会社などは、デファクトスタンダードになりつつある「ペンシル」を使っている会社が多いと思われ、mayaのToonはダメだと噂は聞いていても「何がダメなの?」と分かり辛い部分もあるかと。
せっかくなので、こちらのモデルを題材にmayaToonの悩みについて少し触れておこうと思います。
おそらくPPIさんはmayaを使いつつもmayaのpfxToonなど使っていないと思われ、上手く解決していることでしょう・・・汗

まず、ヒロインのモデルにpfxToonをアサインしてみました。
このくらいの太さなら、まだ見れます。
07_20141110005246903.jpg

線を少し太くしてみます。
08.jpg
ここまで太くするかは置いておいて、まず緑色の囲いを見てみてください。
mayaのToonはメッシュです。そのため、太くすると服の下にあるジオメトリーの線が上に突き出してきます!!
他に、青で囲ったところのようにディティールのあるエリアはダマになりまくってぐっちゃぐちゃになります。

こうなった場合どうするかというと、自分の場合はAEで手マスクを切って1フレームごとに消してきます。
ええ、もう気が狂いそうですよ。

他にも色々とmayaToonの問題点は存在していて、正直自分は、インハウスでラインの開発をするか、ラインだけでもキャッシュで持っていってmaxでレンダリングしたいと思っています。

映像を見ている限りシドニアではそのようなガバガバなエラーは見受けられず、上手く処理しているものと思われます。


■さいごに
トゥーンとリアルは文化が違います。
会社によっても文化が違います。
もうこれは一種の宗教のようなものです。

繰り返しになりますが、特定の会社で通用した技術が転職した瞬間全否定されることはよくあります。
なので、シドニアのモデルを見て「これが正解」「これがダメ」と決め付けるのではなく、「こういうやりかたをしている会社の1例がタダで見れた」と、ありがたく享受しておけばいいのでは。と思います。

このモデルを見た学生さんは、造形やメッシュの出来不出来よりも、優れたアセットマネージメントによる「仕様がちゃんとしてるプロのデータ」を作る必要性を感じていただければと思います。

Zbrushでごりごりしただけのデータで就職しても、ここでつまずいて「使えない新人」になる例は最近多いようです。

最近のお仕事諸々

2014年05月12日 02:11

ここのところブログをめっきりさぼっていましたが、最近のお仕事を報告しておこうと思います。

■映画『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』
http://saintseiya2014.com/

もう何年関わったか分からないくらい長い間やっていた案件。

こちらでは、自分としては初となる「キャラクターデザイナー」としてデビューさせてもらえる事となりました。
今までたくさんの作品で「リードモデラー」という肩書きをいただき、2Dのデザイン画を3Dで表現するお仕事をやらせてもらってきました。
今回はそこからさらに踏み込み、2Dでデザイン画を描くところからやらせてもらえました。
今回私が担当させてもらったキャラクタは、メインのブロンズセイント5人
・星矢
・紫龍
・瞬
・氷河
・一輝

に加え、ヒロイン
・沙織
の6人をデザインさせてもらいました。
こちらのセイントたちについては、クロス(鎧)も私がデザインしています。

今回の映画でこだわっているポイントの一つが「表情」です。
表情集と表情を作る仕組みを両方担当させてもらった事で、表現を実現するためのシステムという理想の形を実現できたように思います。
これらは、今後の作品でさらに発展させていく予定です。

モデリングチームも私が仕切っていますので、ゴールド含め全キャラクタ私が監修しています。
ただ、実際に私が手を動かしてモデリングしたのは
「星矢」「沙織」「アイオリア」
の三体で、残りはうちのモデリングチームのみんなが頑張ってくれました。
プリキュアなどセル中心のキャリアが多いスタッフだった事もあり、セミリアルではありますがキャラクタ性のきちんと立ったキャラモデルがたくさん生まれたのではないかと思います。

6/21、いよいよ公開です。
劇場グッズなど、これから色々なところでメディア取材も受けていますので、よかったらそちらも見てあげてください!!

■ハピネスチャージプリキュア!
http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/
今年2月から放映開始しましたプリキュアの新作で、2年ぶりにCGディレクターをやらせてもらいました。
エンディング映像では演出、CGディレクション、CG作画監督。
今年から初となる「フォームチェンジバンク」では、CGディレクター、CG作画監督をやらせてもらいました。

東映史上初となるフル3DCGのバンク映像を担当させてもらい、作ヲタ名利につきるお仕事でした。

長かった星矢のモデリング仕事がほぼほぼ完了し、ふぅ~、と一息ついたときにプロデューサに呼び出され、この作品のオーダーをいただきました。
同時期に大規模案件(お察しくださいw)が動いていたこともあり相当厳しい戦いになるよ。と事前に言われていましたが、憧れの長峯監督と仕事ができるチャンス。二つ返事でお仕事を引き受けました。
実際すごくきつい状況でしたが、スタッフのみんなが良い意味での「化学反応」を連鎖させ、とても熱量のあるフィルムに仕上がったと思います。

こちらは既にいくつかのメディアで掲載していただいていますが、今後も色々な所で取材していただくことになりそうですので良かったら見てみてください!!

■仮面ライダー鎧武
http://www.tv-asahi.co.jp/gaimu/
そういえばライダーに関わるのは初めてでした。
主人公のガイムと、バロンのCGモデルをモデリングさせてもらいました。
V-rayデビュー作です。

■その他
・プリキュアエンディングムービーコレクション みんなでダンス!

プリキュアエンディングムービーコレクション ~みんなでダンス! ~ [Blu-ray]プリキュアエンディングムービーコレクション ~みんなでダンス! ~ [Blu-ray]
(2014/03/12)
キュアハート、キュアダイヤモンド 他

商品詳細を見る

こちら、ジャケットCG担当させてもらいました。
私が担当した「スマイルプリキュア!」の前期EDも収録されています!!

・プリキュア10周年公式アニバーサリーブック

プリキュア10周年公式アニバーサリーブックプリキュア10周年公式アニバーサリーブック
(2014/03/10)
不明

商品詳細を見る

こちらに10周年記念のコメントとイラストを掲載していただきました。

・マジンボーン
http://www.toei-anim.co.jp/tv/majinbone/
キャラモデリングのフロー開発を少しだけお手伝いさせてもらいました。





ホッタラケを終えて5年。
ようやく長かった星矢が終わり、自分の代表作を塗り替える事ができそうです。
現在進行形で色々な案件を進めていますので、また色々と報告できる日が来たらこちらに書かせてもらおうと思います。

アーノルドレンダー

2013年09月26日 10:50

久々の更新です。
最近巷で噂の「アーノルドレンダー」について、いくつかの条件つきで画像の公開許可を頂きましたのでブログで紹介させてもらいたいと思います。

機密保持契約の関係で詳しい情報は記載できませんが、この記事でアーノルドというソフトウェアの潜在能力を感じて頂ければ幸いです。
なお、販売価格や入手ルート。具体的なmayaのチュートリアル等は前述した通りNDAの関係でお話できませんので、あらかじめご理解ください。
thorKeyVisualA_2013091223054044b.jpg


■アーノルドとは?
アーノルドレンダーは「solidAngle」社が開発・販売しているフォトリアリスティック向けのGIレンダラーです。
ハリウッドのハイエンドVFXでの普及に加え、最近では映画「キャプテンハーロック」でマーザ・アニメーションプラネットさんが使用された事でも有名です。

■メイキング
今回、4年ぶり?5年ぶり?くらいにフォトリアル系の人間を作ってみました。
仕事以外で作品を作るという事自体若い頃しか(精神的に)できなかった私ですが、アーノルドというレンダラーがあまりにも素晴らしく、自分からリアルな人間を作りたい!と思うに至りました。
今回テーマにしたのは、某アスガルドの雷男です。


●Modeling
デザインはよく分からない所が多かったので、アベンジャーズのアート本を買ったり色々と資料をかき集め、一応全身作成しています。
(↓クリックで拡大↓)
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顔は左右非対称で作成していますが、フェイシャル扱いでアシンメトリーターゲットを作成しているので、とりあえずデフォルトモデルはシンメトリーで作っています。
(↓クリックで拡大↓)
wier.jpg


●Rendering
ベーシックなスタジオライティングでのレンダリング。
(↓クリックで拡大↓)
studio.jpg

ターンテーブル

thorTT from hiroshi miyamoto on Vimeo.



IBLで色々出してみましたテスト
(↓クリックで拡大↓)
IBLtest.jpg


余談ですが、野外っぽい絵のテスト、ルックデヴのベースに使ったライトの一つなのですが、実際に私がロケーションで写真を撮影してもらい、肌の輝度をある程度数値レベルで合わせるというテストをしています。
現場でHDRを取るような事まではできていませんが、やらないよりはマシだと思い、撮影してきました。
なお、ロケーションは武蔵国分寺公園。撮影時間は午後1時頃です。
(真夏なので暑かった・・・)
photo.jpg


全身2種。
今回は、この「武蔵国分寺公園」「スタジオライティング」に加え、IBL無しのライトオンリーを足した3種類のロケーションでルックデヴを行いました。
まったく同じシェーダーで、ライトを変えただけでロケーション変更を行えるよう高い汎用性を目指しています。
(↓クリックで拡大↓)
thorAll.jpg


●Rigging
体と顔のリグテストムービー
(↓クリックで拡大↓)
facial.jpg

facialRigTest pb sd from hiroshi miyamoto on Vimeo.



thorFacial from hiroshi miyamoto on Vimeo.



bodyRigTest pb sd 2 from hiroshi miyamoto on Vimeo.



thorBody2 from hiroshi miyamoto on Vimeo.



●Final
最後に、頭に貼り付けていたキーショットの大きい画像をペタリ。
実はアニメーションをつけていてその1コマなのですが、途中で挫折したのでとりあえず静止画を。
またいつか元気が戻ったら続きをつけるかもしれません。
(↓クリックで拡大↓)
thorKeyVisualA_20130912233759ad1.jpg
適当なHDRの素材集でレンダリングしたので、背景はとりあえずそれを切り抜いて貼り付けています。汗


カラコレ前のビューティーパスはこちら。1パスレンダーです
(↓クリックで拡大↓)
thorKeyVisualB.jpg


■あとがき
自分はアニメ会社勤務で、本業はトゥーンルック。Zbrushすら使えません。
そんな自分でも、触って数日で使えてしまう。
ルックデヴにかかった日数も、以下のとおりすごく短時間ですみました。
-----
モデリング : 3日
ルックデヴ : 4日
ボディリギング : 2日
フェイシャルリギング : 11日
-----
私は仕事でmentalRayもvrayも一通り触ったことがありますが、目標の絵に対してここまで迷ず到達できるレンダラーは初めてだというのが感想です。

Vrayも3.0でブルートフォースやヘアーの強化がされるという情報がありますし、レンダーマンもフィジカルベースでレイトレーサーになってきていると発表されています。
これから世界的なレイトレーサーへの移行が行われていくと思いますが、その中で抜きん出るために「ユーザーライク」というのは大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。

私たちプロは、学生に何を説くべきか。

2012年07月10日 01:16

ちょいとえらそうなタイトルですがそんな大層な事を言うつもりはありません。
でも、久々にまじめな日記を書いてみたいと思います。

先日取材を受け、CGWORLD Entryという学生向けのフリー雑誌でインタビューを掲載してもらいました。
cgwfp

http://cgworld.jp/information/cgw-entry.html
(最近たくさんCGWORLDさんに載せてもらってありがとうございます)

学生さん向けの雑誌で、これから業界に入るためのイロハを説いたものです。


私は学生時代から、CG業界のここだけは好きになれないという部分があります。
それは、プロが学生に対して厳しさばかりを説くところです。
専門学校で受けた数多くの講演会。プロの方のブログやSNS。私たちが学生のころから
「プロの現場をなめるな」
「厳しい業界なのに君たちに耐えられるの?」
「そんなレベルで通用すると思うな」

など、学生に対して不安をあおる事を説くプロが多かった記憶があります。
(もちろん例外もありますが)

私はCGをはじめて9年。プロの現場に身をおいて7年になります。
キャンキャン吠えているだけの若人だった時代もありますが、今はそれなりの人数の部下を預かり、リードやディレクターという肩書きを背負いながら仕事をする立場にいます。

そんな中、チームをより上手くまわせるリーダーとそうでないリーダーがいるという当たり前の事に気がつきました。
私は22歳の頃から映画のリードモデラーとして人の上に立っていましたが、ホッタラケをやっていた当時は他にやる人がいなかったからという理由意外、とてもリーダーとは呼べない仕事ぶりだったと思います。
最初にいた組織に対するプライドが前に出すぎて、他の人が上げてきた物をあたまごなしに否定する事しかしていなかったからです。
その後いくつかのプロジェクトでリードモデラーやディレクターという立場で仕事をしていくうちに、「上手く行くときのパターン」というものに気がつきました。
それはすごく単純なもので
・希望を説くリーダーには人がついてくる
・否定ばかりするリーダーには人がついてこない

というものです。

当然のように聞こえるかもしれませんが、現場でリアルにこれを体感するまでに私は5年近くかかりました。
私にとって最近の代表作となる「スマイルプリキュア」のエンディング映像ですが、この作品は本当に上手く回せたと思います。
まず、私もスタッフも作品自体が大好きだった事。そして、私自身が参加してくれたスタッフを信頼していたことなどが理由なんじゃないかと思います。
そのため、表現面に関する切磋琢磨はありましたが特に大きな衝突もなく、作品を作り終えることができました。
振り返ってみると、とにかく製作中楽しくて夢中になっていてスタッフと「こんなことやりたいんだ!」と前向きに取り組んでいたのを思い出します。

そういう経験もあり、現在進行中の大規模プロジェクトでは、自分のチームで働いてくれているスタッフの希望はできるだけ聞いてあげたいし、可能な限りモチベーション重視で仕事をしてほしいと思い動いています。
自分の下についてくれている人間に紳士に向き合えば必ず答えてくれますし、実際それなりにチームは上手くいっていると感じています。
社会人なので折れ合い譲り合いは必要ですが、どうせやるなら楽しくやってほしいんです。



・・・というようなあれこれを踏まえ、これから業界に入ろうとしている人間に対しても、私はできるだけ希望を説きたいのです。
CGをはじめた当初の学生時代、誰かに評価されるなんて事は気にも止めず夢中になって取り組んでいました。
自分の作りたいものがヴィジュアライゼーションされるという快感が、何より楽しかったからです。
社会人として好きなものばかりは作っていられませんが、みんなその中でやりきれない思いとたまらない楽しさを共存させて働いているはずです。というか、そう思いたいです。
上手くいかない時はやりきれない思いばかりが前に出て楽しさが見えにくくなっていますが、必ず希望の光はあるんです。

だから、いまから業界に入ってくる・目指す学生さんたちは「つらい面」よりも「楽しい面」に目を向ける習慣をつけてほしいんです。
そのためにも、業界の先輩である私たちプロがネガティブな事ばかりを学生たちに吹きこむのはあまり好きになれません。

ゲーム・アニメ・映画。子供の頃こんな言葉を聞くだけでワクワクしていたはず。
今それを仕事にしてるんですよ?
そう考えるだけで私は幸せだと思います。




CGWORLD Entryのインタビューでは、社会人としての心構え的な部分では厳しい事を書きましたが制作に対する心構えでは希望を説いたつもりです。
他の記事も読みましたが、自分の学生時代にこういうのがあったら!と思うほど良い本でした。
こういうのがもっと続いてくれるといいですね。


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