映画は総合芸術だ!2D、3D総力戦で作り上げた渾身の一撃「映画プリキュアドリームスターズ!」

2017年03月12日 20:28

映画プリキュアドリームスターズ!いよいよ公開が来週に迫りました。

私にとって初の長編映画監督作品となった本作。
「全員集合」から「直近三世代」へとリニューアルし、プリキュア映画史上最も3DCGを多く使った映画となりました。
私個人としては、大塚監督から受け継がれてきた全員集合映画を心からリスペクトしています。それだけに、私のような新人監督がここまで色々なものを変えてしまっていいのだろうかと葛藤がありました。

本当に最近まで作業をしていたためまだ自分の中で気持ちが整理できていませんが、せっかくなのでこの場で映画に対する気持ちを語らせてもらいたいと思います。
daihon.jpg



■「人数を減らす」という選択について
これはいくつかのインタビューで鷲尾プロデューサがおっしゃっているように
「子供のために」
という理由がほぼ全てです。
私自身昔のプリキュアにもとても愛着があり、出したいキャラクタがたくさんいました。(というか出す気満々でいました)
しかし、子供が映画館で知らないプリキュアが出てきて「あの人だあれ?」となってしまう状況が想定されながら「俺が出したいから50人出すんだ」と我を通すというのはいくらなんでも横暴だろうと思いました。

昔のプリキュアも出したいのは監督の私も気持ちは同じ。
だからこそ、そんな気持ちを持っている人たちが見ても絶対に面白いと思ってくれるものを12人で作ろう。と奮い立ちました。
プリキュアたちやサクラの濃密なドラマ。12人くらいが一番生えるレイアウトやアクションなど、とにかく知恵をしぼってみんなで考えました。

他にも、初代オマージュのアクションやちょっとしたポーズなど、昔のファンが気づいたらニヤっとできるような仕込みを色々と用意していますので(分かりやすいのから分かりにくいのまで)、よければ探してみてください。

■作品に向かう気持ちについて
少し個人的な話になってしまいますが、この作品を作り始めたとき、不安で押しつぶされそうになりました。
まず、全国200館超えの大規模上映がされる作品を背負わなければいけないという重圧。そして、圧倒的な人手不足が想定されたこと。
この映画を作っている最中、私が所属している部では大きなテレビシリーズ作品を抱えており、私が育てたスタッフの多くもそちらに参加している状態でした。その作品は私にとっても大切な作品であり、強引に人手を引きずり戻す事は到底できない状況。
あ、これ詰んだな・・・と思いました。

そんなとき、ふと友達の勧めで見た「オデッセイ」のブルーレイ。
主人公のマットデイモンが火星基地に置き去りにされ、食料も資材も足りない絶望の中あらゆる工夫と強靭な意志の強さで生き残るというお話です。
お話とは分かっていても、マットデイモンの異常なほどに前向きな姿勢に心奪われ、一人号泣してしまったのを覚えています。

とにかく私もできることは全てもがいてみよう
そう思い、過去一緒に仕事をしてきた社外の友達や先輩・一緒にやりたいと前から思っていた同業者等、監督である私自らがむしゃらに連絡を取り、力を貸してほしいと打診しまくりました。
タイミング的に色々仕事が埋まっている中、「宮本君のデビュー作なら必ず時間を作るよ!」とたくさんの仲間たちが言ってくれました。
本当に本当に本当にうれしくて、ここでもまた号泣してしまった情緒不安定な三十路監督でした。

しかもその後社内でも私の作品に参加したいと言ってくれるスタッフが出てきたり、結果的には相当いいメンバーで作品に取り組むことができる状態にまでなりました

この時の経験が、実は映画全体を通したサクラの心情に結構な影響を与えているなと完成した映画を見て改めて思いました。

■憧れや夢
今回の映画、大きなトピックスの一つが「3DCGの世界と2D作画の世界を行き来する」というもの。
そう、半分強は作画のアニメなのです。

過去に少しだけ原画の仕事をかじったことがあるとはいえ、基本的には3DCGの業界で生きてきた私。
完全にアウェイな状況でしたが、こちらも素晴らしいスタッフが集結してくれとてもいい流れになっていきました。

絵コンテは作画パートも含め私が切らせてもらったのですが、2D作画パーとには専属の演出さんが2人も立ってもらい、コンテより後の映像制作全般でとても尽力してくれました。
作画監督についても、どうしても一緒に仕事をしたかった「プリンセスプリキュア」キャラデザの中谷さん。そしてハピネスチャージ映画でキャラデをされていた大田さんなど、言うだけならタダだと思い夢見がちな希望を出してみました。
結果なんと、そのお二人がツーマンセルで両方入ってくれるというミラクルが実現
他にも毎度プリキュア映画でお馴染みのスーパー原画マンなど、かなり贅沢な環境で作品に取り組むことができました。

今まで夢見てきた2Dに対する憧れを、この作品で一気に回収できたな・・・とまで思い、感動で身震いしています。

■2Dと3Dの関係
実は、3DCGと2D作画パートは完全に切り分けているわけではなく、お互いに色々と影響を与え合っています。
普段からデジタルツールを使い倒している我々からできる提案は少なからずあるはずだ!と、撮影ソフトの最新プラグインなどを調査し、2D作画パートの撮影さんと協力。
今までのプリキュア映画ではあまりやってこなかったような撮影処理をふんだんに盛り込みました。
結果、作画パートを見て「これCG?」というコメントまで見るようになりました。
変化に気づいてもらえているという手ごたえを感じ、思わずガッツポーズをキメた私でした。

逆に、2Dで上がってきている素晴らししレイアウトや原画もCGアニメータに多大な影響を与えています
3DCGでは表情のアニメーションを作る際に「モーフターゲット」といわれる形状ライブラリを作るのですが、後から中谷さんや大田さんの原画を参考にこっそり3Dのターゲットを作り足したりと、制作中盤からもクオリティアップのためにできることは全てやりました。

■10年の集大成として
ここまで色々語ってきたように、映画が進むにつれてどんどん強力な味方が増えていきました
3Dスタッフも2Dスタッフも、私にとっては映画の中のプリキュアなのです

私は業界入りしてまる10年が経ちました。
とにかくたくさんの人と仕事をし、積み上げてきた仲間・技術・経験。
それらを余すことなく一本の映画に全て注ぎ込むことができたと実感しています。


ただ、監督として、演出家として私はまだまだ駆け出しです。
でもだからこそ、元気いっぱいで地に足ついていないヒャッハーなところ(?)がこの映画の魅力だと勝手に総括してみます。

映画プリキュアドリームスターズ!3/18日いよいよ公開です!
http://www.precure-dreamstars.com/

koukai.jpg
スポンサーサイト


最新記事